2016年11月30日水曜日

12~1月のおすすめ展覧会(割引)

ぐるっとパスを割引券として利用できる

12~1月のおすすめ展覧会をご紹介します。


12月を迎えて、あわただしいシーズンがやってきました。そんなときこそお休みの日には美術館などをおとずれて、ほっとひと息つくのも良い気分転換になると思います。
ぐるっとパスを活用して、癒しのひとときをお過ごしください。

(会期や休館日、開館時間、一般料金以外の観覧料等の詳細は各施設のHPでご確認ください。)

「ぐるっとパス2016」は一冊2,000円。
最初にお使いになった日から2ヶ月間有効です。(ただし最終有効期限は2017年3月31日)
使える79施設の販売窓口でお買い求めになれます。
販売期間は2017年1月31日までです。
★詳細はこちらの公式HPまで。





デトロイト美術館展 大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち

会期:2016107日(金)~2017121日(土)
会場:上野の森美術館 http://www.ueno-mori.org/ 
割引後の料金:1,500円(一般料金の100円引)



●企画展「日本の自然を世界に開いたシーボルト」

会期:2016913日(火)~124日(日)
会場:国立科学博物館  http://www.kahaku.go.jp/
割引後の料金:520円(一般料金の100円引) 

●特別展「世界遺産 ラスコー展 ~クロマニョン人が残した洞窟壁画~」

会期:2016111日(火)~2017219日(日)
会場:国立科学博物館  http://www.kahaku.go.jp/
割引後の料金:1,500円(一般料金の100円引)




●企画展「花粉と花粉症の科学」

会期:20161223日(金・祝)~2017320日(月・祝)
会場:国立科学博物館  http://www.kahaku.go.jp/
割引後の料金:520円(一般料金の100円引) 


●企画展「小笠原国立公園」

会期:20161223日(金・祝)~2017212日(日)
会場:国立科学博物館  http://www.kahaku.go.jp/
割引後の料金:520円(一般料金の100円引) 



平安の秘仏-滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち

会期:2016913日(火)~1211日(日)
会場:東京国立博物館 http://www.tnm.jp/
割引後の料金:900円(一般料金の100円引)




ゴッホとゴーギャン展

会期:2016108日(土)~1218日(日)
会場:東京都美術館 
http://www.tobikan.jp
割引後の料金:1,500円(一般料金の100円引)




●ティツィアーノとヴェネツィア派展

会期:2017年1月21日(土)~ 4月2日(日)
会場:東京都美術館 http://www.tobikan.jp
割引後の料金:1500円(一般料金の100円引)




●開館50周年記念 時代を映す仮名のかたち

―国宝手鑑『見努世友(みぬよのとも)』と古筆の名品

会期:20161119日(土)~1218日(日)
会場:出光美術館 http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/
割引後の料金:800円(一般料金の200円引)




●開館50周年記念 岩佐又兵衛と源氏絵

会期:201718日(日)~25日(日)
会場:出光美術館 http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/
割引後の料金:800円(一般料金の200円引)






endless 山田正亮の絵画

会期:2016126()2017212()
会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
http://www.momat.go.jp/am/exhibition/yamadamasaaki/

割引後の料金:900円(一般料金の100円引)

入館当日に限り同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」、
「瑛九19351937 闇の中で「レアル」をさがす」(ギャラリー4)もご覧頂けます。





革新の工芸―“伝統と前衛、そして現代

会期:2016917日(土)~124日(日)
会場:東京国立近代美術館工芸館
割引後の料金:450円(一般料金の100円引)


The Power of Colors  色彩の力―菊池コレクション

会期:201686日(土)~124日(日)
会場:菊池寛実記念 智美術館 http://www.musee-tomo.or.jp/ 
割引後の料金:700円(一般料金の300円引)


●第2回菊池寛実賞 工芸の現在

会期:20161217日(土)~2017320日(月・祝)
会場:菊池寛実記念 智美術館 
http://www.musee-tomo.or.jp/ 
割引後の料金:金額700円(一般料金の300円引)


●有田焼創業400年記念 明治有田 超絶の美 ―万国博覧会の時代

会期:2016924日(土)~124日(日)
会場:泉屋博古館分館 
http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/
割引後の料金:640円(一般料金の160円引) 




速水御舟の全貌 ―日本画の破壊と創造

会期:2016108日(土)~124日(日)
会場:山種美術館 http://www.yamatane-museum.jp/
割引後の料金:1,000円(一般料金の200円引)




●【開館50周年記念特別展】山種コレクション名品選Ⅲ

日本画の教科書 京都編 ―栖鳳、松園から竹喬、平八郎へ―

会期:20161210日(土)~201725日(日)
会場:山種美術館 http://www.yamatane-museum.jp/
割引後の料金:1,000円(一般料金の200円引)



園内観覧(通年)

会場:国立科学博物館附属自然教育園  http://www.ins.kahaku.go.jp/
割引後の料金:210円(一般料金の100円引)


●開館30周年記念 コレクションの5つの物語

会期:20161119日(土)~2017129日(日)
会場:世田谷美術館 http://www.setagayaartmuseum.or.jp/ 
割引後の料金:800円(一般料金の200円引) 





生誕130年記念 藤田嗣治展 -東と西を結ぶ絵画-

会期:2016101日(土)~1211日(日)
会場:府中市美術館 http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
割引後の料金:一般800円(一般料金の200円引)



●「ガラス絵 幻惑の200年史」

会期:20161223日(金・祝)~2017226日(日)
会場:府中市美術館 http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
割引後の料金:一般560円(一般料金の140円引)



★ぐるっとパスの詳細はこちらの公式HPをご覧ください。



2016年11月10日木曜日

ぐるっとパスを持って松濤に行こう! 渋谷区立松濤美術館と戸栗美術館を巡る

渋谷駅から徒歩15分程度の松濤地域にはぐるっとパスの参加施設が2つあります。
ひとつは今年度新規参加の渋谷区立松濤美術館、そしてもうひとつは戸栗美術館です。
今回はこの2つの美術館をご紹介いたします。

渋谷区立松濤美術館では、11月20日(日)まで「月―夜を彩る清(さや)けき光」展を開催しています。
一般料金1,000円がぐるっとパスだけで入場できます。
戸栗美術館では、12月23日(金・祝)まで「戸栗コレクション1984・1985-revival-展」が開催されています。
一般料金1,000円がぐるっとパスだけで入場できます。
11月20日(日)までの期間は、松濤地域のこの2つの美術館をめぐるとぐるっとパスのご利用で、2,000円分の入場券として使えます。


まずは渋谷区立松濤美術館。
この美術館の設計は、建築家の白井晟一。その独特な建築様式は人気があり、建物も目的のひとつとして訪れる人が多い美術館です。
その特徴のひとつとして、建物内部には円形の吹き抜けがあり、噴水もあります。
展示室は地下1階と2階になりますが、行き来する階段もご覧のような螺旋階段で、雰囲気があります。もちろんエレベーターもあります。
建築家のこだわりが随所に見られ、細部まで気を配って見てみると興味深いと思います。

「月―夜を彩る清(さや)けき光」展
日本の美術において、月は鑑賞や信仰の対象として造形化され、その姿は、やまと絵や水墨画、浮世絵版画などに描かれるとともに、工芸の意匠としても採用されています。
この展覧会では、絵画をはじめ、蒔絵調度、陶磁器、刀装具や甲冑などを「月」をテーマに展示し、日本人に脈々と流れる「月」への嗜好をあらためて見つめなおします。
《武蔵野図屏風》 江戸時代(18世紀) 東京富士美術館蔵
《月百姿 貼込帖(月百姿百点揃)》 月岡芳年 明治22年1889年
徳川美術館蔵 (写真は前期のもの。後期は場面替有。)
《黒漆塗頭形兜》伝 柴田家武将所用 桃山時代(16世紀) 個人蔵
《千歳蒔絵硯箱》 江戸時代(18世紀) 遠山記念館蔵
《定家詠十二ヵ月和歌花鳥図角皿》 尾形乾山 元禄15年(1702年)
MOA美術館

「月」にちなんだ作品ということで、とても身近に感じられて楽しめます。そして深まる秋にふさわしい素敵な展覧会でした。
11月20日(日)までの開催です。

渋谷区立松濤美術館から徒歩5分ほどのところに、全国でも珍しい陶磁器専門美術館である戸栗美術館があります。
12月23日(金・祝)まで「戸栗コレクション1984・1985-revival-展」が開催されています。
戸栗美術館創設者が収集した陶磁器コレクションが初めて公開された展覧会「戸栗コレクション 有田の染付と色絵ー伊万里・柿右衛門・鍋島」(会場:渋谷区立松濤美術館/1984年11月~1985年1月)。今展では、当時の出展品100点以上を再展示。開館30周年を前に、伊万里焼・鍋島焼の名品とともに、コレクションのはじまりを振り返ります。
ラウンジ
戸栗美術館に入って1階の左側には素敵なお庭を眺めながら休憩するスペースがあります。
静かで落ち着くなんとも居心地の良い場所です。有料で飲み物もいただけます。
展示室は2階ですが、1階にも関連展示をする小さなスペースがあります。
大きな階段に導かれるように、2階の展示スペースへと上っていきます。
染付 竹虎文 捻花皿》 伊万里 江戸時代(17世紀中期)
戸栗美術館蔵
階段の途中には、戸栗美術館のロゴの絵のもとになった虎の絵皿が展示されています。こちらも見逃さないようにしましょう。
2階、第1展示室風景
色絵 牡丹文 瓶》 伊万里 江戸時代(17世紀中期)
戸栗美術館蔵
色絵 盤上童子水注》 伊万里(柿右衛門様式) 江戸時代(17世紀後半) 戸栗美術館蔵
色絵 壽字吉祥文 鉢》 伊万里 江戸時代(17世紀末~18世紀初) 戸栗美術館蔵
青磁染付 雪輪文 皿》 鍋島 江戸時代(17世紀末~18世紀初) 戸栗美術館蔵
写真で見てもそれぞれの作品の素晴らしさは伝わってくると思いますが、やはり実物を目にしたとき、その感動には特別なものがあります。
今回の展示品は選りすぐりの優品なので、1点1点じっくりと鑑賞してしまいたくなる作品ばかりです。
ぜひ、みなさまにも実際に作品を間近に見て、このかたちの魅力や色の美しさ、絵柄の細部まで味わっていただきたいと思います。


■渋谷区立松濤美術館
「月―夜を彩る清(さや)けき光」展
会期:2016年10月8日(土)~11月20日(日)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
※毎週金曜日は20:00まで(入場は19:30まで)
観覧料:入館料一般1,000円 (大学生800円、高校生500円、小中学生100円、60歳以上500円
会場:渋谷区立松濤美術館
渋谷区立松濤美術館には、ぐるっとパスで入場できます。
★次回展
「セラミックス・ジャパン 陶磁器でたどる日本のモダン」
会期:2016年12月13日(火)~2017年1月29日(日)
観覧料:入館料一般500円 (大学生400円、高校生250円、小中学生100円、60歳以上250円


■戸栗美術館
「戸栗コレクション1984・1985-revival-展」
会期:2016年10月4日(火)~12月23日(金・祝)
休館日:月曜日
開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
観覧料:入館料一般1,000円 (高大学生700円、小中学生400円
会場:戸栗美術館
戸栗美術館には、ぐるっとパスで入場できます。

★ぐるっとパスは、1冊2,000円で都内79の美術館・博物館などの入場券又は割引券が綴られた便利でお得なチケットブックです。
詳細はこちらの公式HPをご覧ください。











2016年11月4日金曜日

「クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス―さざめく亡霊たち」 【同時開催】「アール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間」 東京都庭園美術館

今回は目黒の東京都庭園美術館で12月25日(日)まで開催中の「クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス―さざめく亡霊たち」展と【同時開催】「アール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間」展をご紹介します。

◆クリスチャン・ボルタンスキー
1944年、パリ生まれ。独学で制作を始め、1960年代後半より映像作品やインスタレーションを発表。1972年以降、5年に1度開催されるドクメンタ(ドイツ、カッセル)やヴェニス・ビエンナーレなど現代美術国際展に度々招待され、国際的に注目されるようになります。今日まで一貫して、匿名の個人/集団の生(存在)と死(消滅)、そして記憶をテーマに世界各国で作品を発表しています。

今回の展覧会は本館全体で、建物公開展の「アール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間」が行われていて、その中で、ボルタンスキーの作品も展示されています。さらに新館では彼の作品のみが展示されています。

まず、新館の作品からご紹介しましょう。
《帰郷》 2016年 《眼差し》 2013年
黄金のエマージェンシー・ブランケットが覆っているものは大量の古着です。
持ち主不明の大量の衣服の山をエマージェンシー・ブランケットで覆う行為に、一人ひとりの生死を残酷なまでに等しく見つめるボルタンスキーの一貫した眼差しが感じられます。
手前にある目元のみ大きく拡大プリントされたヴェールは《眼差し》という別の作品です。
《眼差し》 2013年
目元のみ拡大プリントされたヴェールが幾重にも風に揺らめき、鑑賞者を奥へ奥へと誘い込みます。
引き伸ばされた写真にはもはや元の証明写真の跡形はなく、無数の匿名の眼差しが亡霊のように私たちを見つめます。
《アニミタス》 2015年
暗い展示室に入ると、足元には草が敷き詰められ、少し乾燥した草の匂いがしています。中央には大きなスクリーンがあり、動画が映し出されています。その前にはぽつんとベンチが置かれています。
《アニミタス》
スクリーンに映るのは標高2000mを越える高地にある地球上で最も乾燥した、そのために最も星座がはっきりと見える場所ともいわれるチリのアタカマ砂漠です。
風に揺れてかすかな音を鳴らす、数百の日本製の風鈴はボルタンスキー生誕時の星の配置を描いています。
《ささやきの森》 2016年
反対面のスクリーンでは今年完成したばかりの豊島(香川県)の山の中腹にあるインスタレーション《ささやきの森》が映っています。《アニミタス》と同じ構造を持つ作品です。
《ささやきの森》は、次第に大きくなる森のざわめきを頼りに小道を歩いて行くとついに出会う、木々の間でさざめく数百の風、木漏れ日、そしてその光に反射して煌く「誰か」の大切な人の名前が重なり合う、そんな情景のインスタレーションです。
《アニミタス》よりずっと穏やかな印象です。

暗い展示室の中で、大きなスクリーンに映し出される光景は、ながめていると少しずつ、時を進めていきます。
暗闇と、映像とかすかな風の音と風鈴の音色、そして足元の乾燥した草の感触。これらを五感で感じながら、そこに何を見い出して、何を聞いて、何を感じるのか、それは鑑賞者にゆだねられています。
じっくりと空間に身をおきたくなる、そんな作品です。
ぜひ、みなさんも体感しに訪れてみてください。

さて、本館では建物の公開展が開催されています。
通常、展覧会開催時には作品が展示されていて、室内の装飾等をじっくりと見ることは難しいですが、建物公開展では、カーテンが開けられ、室内に家具が配置され、居室の雰囲気が感じられるようになっています。室内の装飾もじっくりと楽しむことができます。
この展覧会の会期中は平日(月~金)に限り写真撮影が可能です。
*望遠レンズ・フラッシュ・ストロボ・三脚・レフ板・自撮り棒等のご使用はご遠慮ください。






《さざめく亡霊たち》 2016年
この本館の1、2階ではボルタンスキーの作品も展示されています。
1階では、目立たないように各所にスピーカーが配置され、どこからともなくささやきが聞こえてきます。とてもシンプルな言葉ですが、鑑賞者の心情によっては深い意味を持つようなささやきです。


《影の劇場》 1984年
2階の1室で展示されている作品です。
暗闇の奥で骸骨やコウモリのような生き物、天使などの影がダンスをくりひろげています。この光と影による幻想的なインスタレーションは西洋美術における伝統的な主題「死の舞踏」や「メメント・モリ(死を想え)」といった、“誰しもに普遍的に訪れる死”を想起させます。
《心臓音》 2005年
同じく2階のかつて書庫だった部屋ではノイズ音楽のような鼓動に合わせて電球が明滅しています。これは豊島(香川県)にある恒久展示で、世界中の人々の心臓音をサンプリングし保存している「心臓音のアーカイブ」(2010年)より提供された、「誰か」の心臓音です。

ここまでご紹介してきましたが、タイトルに「さざめく亡霊たち」とあったり、暗闇で心臓音が聞こえたり、少し恐ろしい印象を抱かれてしまったかもしれません。
しかし、「亡霊」という言葉は入っていますが、主役は今、そこに存在する鑑賞者の皆さま自身です。
ボルタンスキーが創りだしたさまざまな作品空間の中に身をおき、皆さんがそれぞれ自由な感性で体感する展示なのです。
きっとこの展覧会は、皆さまにとって特別な体験のひとつとなることでしょう。

「クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス―さざめく亡霊たち」
 【同時開催】「アール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間」
会期:2016年9月22日(木)~12月25日(日)
休館日:第2・第4水曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
11月25、26、27日の3日間は、夜間開館20:00まで(入館は19:30まで)
観覧料:一般900円 (大学生720円、中・高校生および65歳以上450円
*上記観覧料で2つの展覧会(クリスチャン・ボルタンスキー展、アール・デコの花弁展)を鑑賞できます。
会場:東京都庭園美術館
東京都庭園美術館には、ぐるっとパスで入場できます。


★ぐるっとパスは、1冊2000円で都内79の美術館・博物館などの入場券又は割引券が綴られた便利でお得なチケットブックです。
詳細はこちらの公式HPをご覧ください。