2016年11月10日木曜日

ぐるっとパスを持って松濤に行こう! 渋谷区立松濤美術館と戸栗美術館を巡る

渋谷駅から徒歩15分程度の松濤地域にはぐるっとパスの参加施設が2つあります。
ひとつは今年度新規参加の渋谷区立松濤美術館、そしてもうひとつは戸栗美術館です。
今回はこの2つの美術館をご紹介いたします。

渋谷区立松濤美術館では、11月20日(日)まで「月―夜を彩る清(さや)けき光」展を開催しています。
一般料金1,000円がぐるっとパスだけで入場できます。
戸栗美術館では、12月23日(金・祝)まで「戸栗コレクション1984・1985-revival-展」が開催されています。
一般料金1,000円がぐるっとパスだけで入場できます。
11月20日(日)までの期間は、松濤地域のこの2つの美術館をめぐるとぐるっとパスのご利用で、2,000円分の入場券として使えます。


まずは渋谷区立松濤美術館。
この美術館の設計は、建築家の白井晟一。その独特な建築様式は人気があり、建物も目的のひとつとして訪れる人が多い美術館です。
その特徴のひとつとして、建物内部には円形の吹き抜けがあり、噴水もあります。
展示室は地下1階と2階になりますが、行き来する階段もご覧のような螺旋階段で、雰囲気があります。もちろんエレベーターもあります。
建築家のこだわりが随所に見られ、細部まで気を配って見てみると興味深いと思います。

「月―夜を彩る清(さや)けき光」展
日本の美術において、月は鑑賞や信仰の対象として造形化され、その姿は、やまと絵や水墨画、浮世絵版画などに描かれるとともに、工芸の意匠としても採用されています。
この展覧会では、絵画をはじめ、蒔絵調度、陶磁器、刀装具や甲冑などを「月」をテーマに展示し、日本人に脈々と流れる「月」への嗜好をあらためて見つめなおします。
《武蔵野図屏風》 江戸時代(18世紀) 東京富士美術館蔵
《月百姿 貼込帖(月百姿百点揃)》 月岡芳年 明治22年1889年
徳川美術館蔵 (写真は前期のもの。後期は場面替有。)
《黒漆塗頭形兜》伝 柴田家武将所用 桃山時代(16世紀) 個人蔵
《千歳蒔絵硯箱》 江戸時代(18世紀) 遠山記念館蔵
《定家詠十二ヵ月和歌花鳥図角皿》 尾形乾山 元禄15年(1702年)
MOA美術館

「月」にちなんだ作品ということで、とても身近に感じられて楽しめます。そして深まる秋にふさわしい素敵な展覧会でした。
11月20日(日)までの開催です。

渋谷区立松濤美術館から徒歩5分ほどのところに、全国でも珍しい陶磁器専門美術館である戸栗美術館があります。
12月23日(金・祝)まで「戸栗コレクション1984・1985-revival-展」が開催されています。
戸栗美術館創設者が収集した陶磁器コレクションが初めて公開された展覧会「戸栗コレクション 有田の染付と色絵ー伊万里・柿右衛門・鍋島」(会場:渋谷区立松濤美術館/1984年11月~1985年1月)。今展では、当時の出展品100点以上を再展示。開館30周年を前に、伊万里焼・鍋島焼の名品とともに、コレクションのはじまりを振り返ります。
ラウンジ
戸栗美術館に入って1階の左側には素敵なお庭を眺めながら休憩するスペースがあります。
静かで落ち着くなんとも居心地の良い場所です。有料で飲み物もいただけます。
展示室は2階ですが、1階にも関連展示をする小さなスペースがあります。
大きな階段に導かれるように、2階の展示スペースへと上っていきます。
染付 竹虎文 捻花皿》 伊万里 江戸時代(17世紀中期)
戸栗美術館蔵
階段の途中には、戸栗美術館のロゴの絵のもとになった虎の絵皿が展示されています。こちらも見逃さないようにしましょう。
2階、第1展示室風景
色絵 牡丹文 瓶》 伊万里 江戸時代(17世紀中期)
戸栗美術館蔵
色絵 盤上童子水注》 伊万里(柿右衛門様式) 江戸時代(17世紀後半) 戸栗美術館蔵
色絵 壽字吉祥文 鉢》 伊万里 江戸時代(17世紀末~18世紀初) 戸栗美術館蔵
青磁染付 雪輪文 皿》 鍋島 江戸時代(17世紀末~18世紀初) 戸栗美術館蔵
写真で見てもそれぞれの作品の素晴らしさは伝わってくると思いますが、やはり実物を目にしたとき、その感動には特別なものがあります。
今回の展示品は選りすぐりの優品なので、1点1点じっくりと鑑賞してしまいたくなる作品ばかりです。
ぜひ、みなさまにも実際に作品を間近に見て、このかたちの魅力や色の美しさ、絵柄の細部まで味わっていただきたいと思います。


■渋谷区立松濤美術館
「月―夜を彩る清(さや)けき光」展
会期:2016年10月8日(土)~11月20日(日)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
※毎週金曜日は20:00まで(入場は19:30まで)
観覧料:入館料一般1,000円 (大学生800円、高校生500円、小中学生100円、60歳以上500円
会場:渋谷区立松濤美術館
渋谷区立松濤美術館には、ぐるっとパスで入場できます。
★次回展
「セラミックス・ジャパン 陶磁器でたどる日本のモダン」
会期:2016年12月13日(火)~2017年1月29日(日)
観覧料:入館料一般500円 (大学生400円、高校生250円、小中学生100円、60歳以上250円


■戸栗美術館
「戸栗コレクション1984・1985-revival-展」
会期:2016年10月4日(火)~12月23日(金・祝)
休館日:月曜日
開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
観覧料:入館料一般1,000円 (高大学生700円、小中学生400円
会場:戸栗美術館
戸栗美術館には、ぐるっとパスで入場できます。

★ぐるっとパスは、1冊2,000円で都内79の美術館・博物館などの入場券又は割引券が綴られた便利でお得なチケットブックです。
詳細はこちらの公式HPをご覧ください。