2014年11月26日水曜日

松岡美術館

今回は白金台にある松岡美術館をご紹介します。

松岡美術館はぐるっとパスで入場できます。

プラチナ通りこと外苑西通りから少し入ったところにあり、
アクセスは、目黒駅東口から徒歩15分、地下鉄白金台駅から徒歩6分です。
さて、松岡美術館は1975年に実業家松岡清次郎が創立した私立美術館です。
美術館を入ってすぐ、松岡清次郎像が出迎えてくれます。
この方が蒐集したコレクションを展示するのがこの松岡美術館です。
そのコレクションは古代オリエント美術を始め、東洋陶磁器、日本画、フランス近代絵画、現代彫刻まで広きにわたるそうそうたるものです。
さあ、これから、美術館の中へご案内いたします。
まず、入ってすぐ正面にエミール・アントワーヌ・ブールデルの「ペネロープ」が凛と立っています。
ロビーを進んだ正面の大きな窓の向こうは緑豊かな中庭。
窓の前には椅子があり、お庭を眺めながらゆったりとした時間を過ごすこともできます。
美術館は常設展示3室の1階と、企画展示3室の2階とで構成されています。
まず、1階の常設展示を見ていきましょう。
常設展示室Ⅰは古代オリエント美術の部屋です。
「彩色木棺」 エジプト 紀元前4世紀頃
紀元前4世紀頃、中部エジプトのアクミムという町で、ミン神に仕えたパシェリエンイルアァという神官の棺です。
古代エジプトの「彩色木棺」を間近にじっくりと見ることができます。
描かれた模様を子細に見ながら、古代エジプトに想いをはせます。

そして常設展示室Ⅱはエミリオ・グレコやヘンリー・ムアの大型ブロンズが配置されていて、屋外に展示されているような立体彫刻を室内で落ち着いて見ることができます。


常設展示室Ⅲは古代東洋彫刻の部屋です。
世界で初めて仏像が生まれたガンダーラ地方の菩薩像や如来像、官能美あふれるヒンドゥー教神像などを中国、クメールの彫像と併せて展示しています。

《菩薩半跏思惟像》 ガンダーラ  3世紀頃
京都・広隆寺や奈良・中宮寺の国宝《菩薩半跏像》の源流とされていて、ガンダーラから日本への仏像の伝播を考える際の貴重な資料といわれています。

《シヴァとパールヴァティー》 中インド  11~12世紀
ヒンドゥー教における破壊の神・シヴァとその妃・パールヴァティーの像。

二人の息子であるガネーシャとスカンダの姿も見られます。

ひとつひとつの仏像と対峙しながら、ゆったりと自分のペースで観賞することができ、本当に贅沢な時間を過ごせました。


常設展示を堪能したら、2階に向かう階段へ。
訪れた11月初旬には2つの企画展が開催中でした。
「松岡コレクション―うつわのもよう」展と「水面を描いた画家たち」展
会場:松岡美術館 http://www.matsuoka-museum.jp/

会期:2014108日(水)~1221日(日)
一般料金:800がぐるっとパスだけで入場できます。


うつわのもよう展の展示風景。
うつわを彩る「もよう」に焦点をあてたユニークな企画展です。
キャプションの解説。とても分かりやすい丁寧な説明で、もようを深く読み解けるよう導いてくれます。
このような解説、初心者にやさしいのはもちろんですが、美術作品を見慣れた方にも新しい発見があるのではないでしょうか。
企画展の残りの2部屋では水のある情景に着目した「水面を描いた画家たち」展が開催中でした。
2階から降りていく階段の大きな窓からも庭が望め、作品観賞後の余韻を演出してくれます。
1階の庭を望む窓の前で、館長代理の松岡治氏に話をうかがいました。
窓の前の椅子に座ってじっくり景色を眺め、ゆっくりと時間を過ごしていただきたいんです。この窓のフレームが額縁で、窓から望む四季折々の風景もこの美術館の作品のひとつと考えているからです。」
松岡館長代理のこのことばにもこの美術館のホスピタリティの高さ、おもてなしの心を感じました。
今なら「ぐるっとパス2014」購入者には、チケットの表紙・ポスターに使用されている松岡美術館所蔵作品のポストカードのプレゼントもあります。
ぜひ、松岡美術館からぐるっとパスの旅をスタートさせましょう。

11月22日(土)にリニューアルオープンした東京都庭園美術館は、目黒駅からの経路にあります。
一緒に訪れてみてはいかがでしょうか。
松岡美術館HP http://www.matsuoka-museum.jp/
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝休日の場合開館し、翌日休館)、展示替期間、年末年始(12月22日~1月5日)
観覧料:一般800円・中高大学生500円・障害者・65歳以上の方は700円がぐるっとパスだけで入場できます。


★ぐるっとパスは、1冊2000円で都内78の美術館・博物館などの入場券又は割引券が綴られた便利でお得なチケットブックです。
詳細はこちらの公式HPをご覧ください。